【ガジェット】ウィルコムのインターネット端末がVista搭載だった件
Intel社の超低消費電力プロセサ「Atom」を載せたウィルコムのインターネット携帯端末(MID)が,Windos Vistaを搭載するらしい。CESでは東芝も同じ判断を見せたが,やはり違う選択をしてほしかった。今からでも,もっさり感あふれる動作が想像できる。携帯機器は「サクサク感」こそが命なのだから。
中島氏がいうように,ここでMicrosoftが「Windows CEに思いっきり力を入れて、Intel Atom向けのOSのデファクトを取りに行く」という選択に出ることは,Sigmarion 4を待ち望むいちユーザーから見れば魅力的な話だ。
とはいえ,「Atom」向けOSの主流になるのは,やはりLinux-i686だろうなーと(残念な気持ちで)予想する。Windows CEや組み込みLinuxを組み込むという考えは(可能だし,実際にやるメーカーはいるだろうが),少なくともIntelの戦略にはないと思う。ARMコアが支配する組み込みOS搭載機器の牙城を崩しにかかるのは,当のIntelにとって割に合わないし,ユーザーにとってもメリットはないからだ。
Atomが持つ最大の強みは,i686命令セット向けに蓄積されたFirefoxとかSkypeとかFlashとかのソフトウエア資産を,組み込み機器並みの消費電力で実行できる点にある。ユーザーにとっては,パソコン向けに日々開発されるソフトウエアを,タイムラグなしで携帯機器でも使えるという多大なメリットを享受できる。
これらのソフトウエアが動作するOSは,WindowsかLinux-i686のいずれかである。このうちWindowsは,最新版であるVistaの処理が重すぎ,Atomのコンセプトとは明らかに相性が悪い。東芝やウィルコムはVistaを採用したが,歓迎できる判断ではないのは先ほど述べたとおりだ。Intelも同じことを考えてるだろう。
というわけでIntel社は今,Linux-i686向けアプリやGUIを携帯機器向けにカスタマイズする作業を,猛烈な勢いで進めているだろうなー,と推測する。それも,台湾・中国メーカーに委託する形で。AcerとかAsus,HTCとかが作ったLinux版Sigmarionに,今から期待させてもらおう。