2014-01-01から1年間の記事一覧

「事実に角度を付ける」という言葉について、記者としてまじめに考えてみる

「事実に角度を付ける」…2014年を締めるに当たり、このやっかいなキーワードの問題を整理しないわけにはいかない。いちメディア企業の問題でなく、現場の記者職が皆で考えるべき問題と思えるからだ。 今年の重大ニュースとなった「吉田調書」報道問題につい…

吉田調書報道問題の本質は、「思い込み」でも「チェック不足」でもない

吉田調書報道問題を「記者の思い込み」「チェック不足」「特定新聞の体質」と狭くとらえると、ことの本質を見誤りかねません。いち科学技術記者として、同問題への検証や批判の内容に危惧を覚えたので、ちょっと短く書いてみます。 朝日デジタル版の「吉田調…

「書くこと」の倫理

藤代さんからの問題提起(ヤフー社長室長による「ステルスロビー活動」記事の問題点。自らの利益のためにメディアを使うのを戒めよ(藤代裕之) - 個人 - Yahoo!ニュース)についてつらつら考えているうちに、そもそも日本の大学では「Writing Ethics」または…

画像取り違えは「故意」なのか? 調査報告書を読んでみた

読みました。研究論文の疑義に関する調査委員会による調査結果に対する不服申立ての審査結果について | 理化学研究所 。仕事が佳境ではあるのですが、たまに違うことに頭を使わないと脳が腐ってしまうので(言い訳)。 以下、感想についてFacebookに投稿した…

STAP細胞をめぐるニコニコ生放送から考えた、科学コミュニケーションの行き着く先

3月16日のニコニコ生放送(八代嘉美+東浩紀「科学と社会のコミュニケーションを考える――STAP細胞をめぐって」実況(2014.03.16) - Togetter)が大変面白かったので、紹介もかね、STAP細胞と科学コミュニケーションについて改めて考えてみたい。前回の記…

科学記者の視点から見ても、小保方氏の「女子力」は確かにエポックだった

STAP細胞研究の小保方氏が、メディアのゴシップ取材攻勢に「研究活動に支障が出ている」と文章を出す事態に発展した件について。 この件は藤代さんの記事STAP細胞研究の小保方晴子博士が「研究活動に支障が出ている」と報道機関にお願い(藤代裕之) - 個人 - …