【電子産業】中国の華為技術はモトローラを買収するのか

 いつも参考にしている海部美知さんのブログより。Motorolaがスピンオフするとされる携帯電話機部門の買い手として,Huawei華為技術)の名前が挙がっていると聞いてビックリ。


 去年,ある記事の執筆のためHuaweiを取材したことがある。中国のIT/エレクトロニクス企業で最も成功した通信機器メーカー。Huaweiの事業規模は,既に日本の主要通信メーカーのそれを追い抜きつつあり,Nokia-SiemensやAlcatel-Lucentといった通信機器の巨大メーカーと互角の戦いを演じている(参考)。もしHuaweiMotorolaを買収できれば,通信インフラと携帯電話機を提供できる企業として,同産業のガリバーたるNokiaの強力なライバルになる。何とも興奮させられるシナリオだ。


 ただし。HuaweiにとってMotorolaの買収はそれほどオイシくないと思う。3,4年前ならともかく,今のHuaweiは自力で欧州市場に進出し,基地局などの通信インフラや携帯端末を提供できているからだ。現在は欧州,中東,アフリカまで手を広げすぎて開発リソース不足が深刻化しているが,解決できない問題ではない。逆に,業績不振であるMotorolaの携帯事業を買収することで,Huaweiの強みである低コスト体質が失われては元も子もない。


 さらに言えば,HuaweiのカリスマCEOである任氏およびHuaweiの社風から言えば,欧米企業の買収には手を掛けず「自らの力でガリバーになる」という路線を目指すのはないか,と思う。


 そうなると,日本メーカー勢にチャンスがめぐってくる…のだろうか? 一見魅力的な話だが,Huaweiが捨てた話を日本メーカーが拾うっていうあたり,釈然としないものを覚えるのはなぜだろう。