【イベント】ビル・ゲイツ氏の対談を聴いてきました

 さて先週,スタンフォード大で行われたビル・ゲイツ氏と著名ジャーナリストの対談を拝聴してきた。詳細は記事本文(Google, PS3,YouTube・・・MS社のライバルに対するBill Gatesの一問一答 | 日経 xTECH(クロステック))に譲るとして,ビル・ゲイツの話を聞いて感じるのは

 「この人は本当にコンピュータおたくなんだなあ」

 ということ。彼によれば,この世のすべての機器は,将来パソコンのようなコンピュータ・アーキテクチャを採用することになるので,その全ての機器にMicrosoftのソフトウエアを入れたい,という。

 Microsoft の一極支配はいただけないが,機器のコンピュータ化は個人的には歓迎できる。パソコンにせよ,SymbianまたはLinux搭載のケータイにせよ,やはり自身でソフトウエアを導入してカスタマイズできるから面白いのだ。お仕着せの機能,限定された性能の機器では,いずれ飽きが来る。

 こうした発想は,DVDプレーヤやテレビといったデジタル家電の技術者の発想とは,まだまだ大きな断絶が有る。それは設計思想の違い,というより「文化の断絶」といった方がいいかもしれない。

 SCE久多良木氏は,その断絶に穴を開けようとした。スペックに恐ろしく余裕を持たせたCPUによる超高速応答のユーザーインタフェースをソニーの家電に持ち込もうとしたが,その途上で家電から手を引かざるを得くなった。もし久多良木氏がソニーの家電部門に留まっていれば,面白いことになったろうに。今では,松下とスクウェア・エニックスが共同開発する「SEAD Engine」に期待するばかりである。こちらは,家電の最後の砦であるテレビすらコンピュータ化できる可能性がある。